こんにちは、関原デンタルクリニックです。
お子様の乳歯が抜けて永久歯に生え変わる時期は、成長の大きな節目です。
特に6歳頃に生えてくる【6歳臼歯】や前歯などの新しい永久歯は
「幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし)」と呼ばれ、
実はとても虫歯になりやすい時期でもあります。
今回は、幼若永久歯の特徴や虫歯のリスク、
そしてご家庭でできる対策についてご紹介いたします。

幼若永久歯とは?
生えたばかりの永久歯は【幼若永久歯】と呼ばれ、
構造的にも性質的にもまだ未成熟な状態です。
表面のエナメル質が薄く、歯質がやわらかいため、
成長して完全に成熟するまでにはおよそ3年程度かかるといわれています。
その間は虫歯菌に対する抵抗力が弱く、虫歯菌だけでなく、
冷たいものや熱いものなどの刺激にも敏感です。
つまり、生え始めてから数年間は、虫歯に対して非常に注意が必要な
「移行期」だといえるのです。
幼若永久歯が虫歯になりやすい理由

幼若永久歯が虫歯になりやすい背景には、以下のような要因があります。
●歯質が未成熟で弱いエナメル質や象牙質が完成しておらず、
酸に溶けやすい状態にあります。
●歯みがきが行き届きにくい 生えたばかりの歯は高さが低く、
隣の歯との段差もあるため、歯ブラシが届きにくいことがあります。
●生えた直後は唾液のコーティングが不十分口の中では
唾液の働きで歯が守られていますが、生えたばかりの歯は唾液による
再石灰化の作用が十分に機能しないため、虫歯になりやすくなります。
こうした理由から、幼若永久歯の虫歯予防には特に注意が必要です。
6歳臼歯は特に注意!
「6歳臼歯」とは、乳歯の奥に初めて生えてくる永久歯で、
通常6歳前後に出てくるためこのように呼ばれています。
この6歳臼歯は、生えたことに気づきにくいことが多く、
親御さんやお子様自身が見逃してしまうことも少なくありません。
しかし、実はこの歯は将来的にかみ合わせの基盤となる非常に重要な歯なのです。
6歳臼歯は、溝が深く汚れがたまりやすい形をしており、磨き残しが多くなりやすい傾向があります。
生え始めは歯ぐきに半分埋まっていることも多く、清掃が不十分になりやすいのも特徴です。
ご家庭でできる対策

幼若永久歯、とくに6歳臼歯を守るためには、以下のような対策が有効です。
★生え変わりのチェックと仕上げみがきの継続
お子様のお口の中は日々変化しています。毎日の仕上げみがきで歯の生え変わりを観察し、
生えてきたばかりの歯があれば意識して丁寧に磨いてあげましょう。
★ フッ素塗布の活用
ご家庭でのフッ素入り歯みがき剤の使用に加え、
定期的に歯科医院でのフッ素塗布を受けることで、幼若永久歯の虫歯予防効果が高まります。
★ シーラント処置
奥歯の溝が深くて磨きにくい場合、歯科医院で「シーラント」という
樹脂を溝に詰める予防処置を行うこともできます。
シーラントは歯を削らずに虫歯を予防する方法として、小児歯科でもよく用いられています。
★食習慣の見直し
間食の頻度が多いとお口の中が酸性の状態になりやすくなり、虫歯のリスクが高くなります。
時間を決めたおやつ習慣や、糖分の少ないおやつ選びも虫歯予防につながります。
まとめ
生えたばかりの永久歯「幼若永久歯」は、
未成熟なため虫歯にかかりやすい特徴があり、
特に6歳臼歯は将来のお口の健康に大きく関わる大切な歯です。
そのため、早期からのケアがとても重要です。
ご家庭での正しいケアや、歯科医院での定期的なチェックを続けることが
お子様の大切な永久歯を守る第一歩になります。
当院では、お子様の成長段階に合わせたケアのご提案やサポートを行っております。
お子様のお口の健康について気になる点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。