アーカイブ: 2024年5月13日

ミュータンス菌と糖分について

はじめに、
細菌感染症の一種である虫歯には、いくつかの原因菌が存在しています。
その中で最も有名かつ注意が必要なのは「ミュータンス菌」です。


ミュータンス菌とは

正式には「ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)」と呼ばれる通
性嫌気性の細菌で、虫歯の最初の段階で大きな役割を果たします。具体的には、グルカン
という粘着性の多糖体をつくり、歯垢の形成を促します。同時に、酸を作って歯質を溶か
すことで、虫歯を発生させます。


ミュータンス菌と糖分の関係

ミュータンス菌のエネルギー源は糖分です。
とくに砂糖を構成するスクロースが大好物で、お菓子やケーキなどを食べた後は
ミュータンス菌の活動が活発になり、グルカンおよび酸の酸性も促進されます。
ごはんやパン、パスタといった炭水化物も糖分であり、
分解される過程でミュータンス菌が利用可能な物質へと変化することから、
虫歯のリスクが高まります。
つまり、ミュータンス菌のエサとなるのは砂糖(スクロース)だけではなく、
糖質全般といえるのです。


虫歯の進行

糖分の摂取量が多く、口腔衛生状態も悪い人は、歯垢や歯石が堆積してミュータンス菌の
数が増えていきます。その結果、虫歯は次のような流れで段階的に進行します。

【CO:初期虫歯】

発生して間もない虫歯で、歯面に白いシミが認められます。虫歯による穴はあいていませ
ん。

【C1:エナメル質の虫歯】

エナメル質に穴があいている状態です。痛みを感じることはありません。

【C2:象牙質の虫歯】

象牙質まで達している深い虫歯です。冷たいものや甘いもので歯がしみるようになります

【C3:歯の神経にまで達した虫歯】

歯の神経と血管で構成された歯髄(しずい)に感染が及んでいます。

【C4:残根状態】

歯冠がボロボロになり、歯根だけになった状態です。歯の神経は死んでいます。


予防と対策

虫歯を予防するためには、まず歯垢の形成を抑えることが必要です。
ミュータンス菌のエサとなる糖分の摂取を控えれば、
グルカンが作られず、歯垢も形成されません。
糖分を摂取しても、食後の歯磨きをしっかりと行うことで、
ミュータンス菌の活動は抑えられます。
1日1回でもプラークフリーな状態を作ることができれば、
ミュータンス菌が異常繁殖することもないでしょう。
正しい歯磨きの方法は、歯科医院のブラッシング指導で身に付けてください。


まとめ

今回は、虫歯の原因菌であるミュータンス菌について、
武蔵小杉の歯医者「関原デンタルクリニック」が解説しました。
ミュータンス菌は糖分を材料にしてグルカンという歯垢の元を作ったり、
歯を溶かす酸を産生したりする細菌です。
糖分の摂取量が多い人や口腔衛生状態が悪い人は、
ミュータンス菌が繁殖しやすくなっているため十分にご注意ください。
歯科の定期検診を受けることで、虫歯になりにくい食事のとりかたや歯磨きの方法を学
ぶことができますので、虫歯予防を徹底したい方はいつでもお気軽に当院までご連絡くだ
さい。

武蔵小杉の歯医者【関原デンタルクリニック】

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